ゆづオンリーファンの皆さま、こんばんは(*^-^*)
今日は、私の大好きな大田龍子さんが書いてくださった、
北京五輪で羽生結弦選手が演じた「天と地と」に関するコラムを
ご紹介したいと思います。
今回もまたとても素晴らしい表現で、あの日の羽生選手の演技の
内容と表情が思い出され、せつなくなりました。
太田さんの言葉と共に、羽生選手の演技を振り返って行きたいと
思います。
羽生選手の演技動画をご覧になられてから読まれると、
このコラムがより一層、深く心に入ると思います。
北京五輪 羽生結弦 フリー「天と地と」
いつものように太田さんの言葉は太字と色を付けて私の言葉と
区別しておきます。
太田さんの叙情的な表現を壊したくないので、引用が多くなる
かもしれませんが、どうかご了承ください。
龍の淵に到るもの 羽生結弦の北京五輪「天と地と」
note
太田龍子氏によるコラム
『Yuzuru Hanyuのコールとともに颯爽と氷上に進む羽生。
Beijin2022のロゴ上で構えた様子は顔色こそ青白いが成すべきことを
知っている目だ。』
『後退しながらスタートした数週間前の全日本選手権とは違い、
羽生は前進で演技を開始。
腕をクロスさせて挑みかかるような振りにはやはりこの方がふさわしい。
翻るようにターンしながらジャンプの軌道を描き、羽生は跳んだ。
天に突き刺さるように高く、鋭く舞い上がった。』
羽生選手が自分の名前をコールされて氷の上に立つところから、
あの素晴らしい4回転半アクセルを跳ぶまでの様子がまるで
小説かドラマの1部分のように描き出されています。
『…右足で着氷し、次の瞬間に転倒したが、氷上に起き直る姿の
滑らかさは成功したアクセルジャンプと何ら変わらず、流れは
途切れない。ここが彼の凄いところだ。…何が起きようとも、彼は
支配力を失なわない。
…上杉謙信の物語を重ねながら追っている目には、続くサルコウ
ジャンプの転倒から生じた揺らぎさえ、すべてを捨て去りたいという
抑えがたい衝動に揺さぶられる謙信の葛藤のようにも見えてしまう。』
『羽生は鞭のように引き締まった体と恐るべきスケーティング
技術を操り、全身を思うさまエモーショナルに撓(しな)わせ、
国主としての義務と信仰心の間で翻弄され、揺れ動くヒーローを
その身に憑依(ひょうい)させてゆく。
ステップシークェンスの終わり、琴の音で天を仰いだ羽生の
すがるような眼差しが切ない。』
羽生選手のこの切なさを感じるまなざしは、確かに私達の心を
揺さぶり、彼から目を離すことができないと思わせる、そんな
魔力があります。
『しかし、高く差し伸べた両腕に剣を受け取った後の滑りは
したたかなまでに確信に満ち、その流麗なさまは深山幽谷を音高く
流れる渓流のよう。重く、厳しく轟く琵琶と花吹雪を思わせる
繊細な琴の旋律が交錯する「天と地と」は、直情的かつ重層的で
変幻自在な羽生結弦の滑りそのものだ。
ラストジャンプはツイズルへとつながるトリプルアクセル。
羽生のトリプルアクセルはいつだって美しいが、これまで見た中でも
飛びぬけて高く、優美なアクセルジャンプだった。
渦巻く星雲のようなスピンから身をほどき、天を仰ぐフィニィッシュ。
その姿は空へと帰っていく何かと別れを惜しんでいるかに見えた。』
羽生選手が最後に天を仰ぎ見るこの姿は、何を意味するのでしょうか。
あるいはあの時、羽生選手は何を思っていたのでしょうか。
太田さんがおっしゃるように、空へと帰っていく何かと別れを惜しんでいる
ようにも見えますね。
すでに羽生選手のインタビューで明らかになったように、あの時、
羽生選手はかなり重い捻挫をしていました。
もちろん、ファンはゆづが公式練習中に足を痛めたであろうことは
信じたくなかったけどわかっていました。
太田さんも然りで、それでもこれだけの凄いプログラムを滑り切った
羽生選手の姿を見て、亡くなったご主人様が昔ご覧になった
「若い能楽師が「道成寺どうじょうじ」のシテを務める舞台」での
出来事を思い出されたといいます。
『鐘が上がり切ってシテが姿を現した時、あろうことか般若の角が
片方、無残に折れていたというのだ。シテの動揺はいかばかりかと思う。
しかし、幕府の式楽であった能は何があっても中断を許されない。
演者は修練を尽くし、魂を込めて舞台に立つ。
けれどライヴでは何が起きるかわからない。幕が上がったその先は
人智を超えた領域となる。』
中断することが許されない舞台で、どんなアクシデントが起きようと、
舞台上の演者は死力を尽くして演じ切るしかないのです。
今回の北京大会で、羽生選手の身に起こった様々なアクシデントや、
練習中のケガも、そしてその状況にあっても4Aという最高難度の
ジャンプに挑むことをあきらめることなく、羽生結弦のアクセルを
完成させたことも「人智を超えた天の配剤」なのかもしれません。
太田さんのこの言葉が、いかにSP8位から(しかもあの足で!)
4Aに挑むこと、そしてそれを成し遂げることの凄さを感じました。
『ショートプログラム8位からの背水の陣、しかも傷ついた足で4回転半に
挑むのは井戸の底から北辰ほくしんを射るような、無謀ともいえる試み
かもしれない。
しかし、深く、孤独な暗闇の底だからこそ、常人には見えない真昼の
星さえ視界に捉えることができるのだ。』
そしてコラムの最後に、中国の文人の素晴らしい言葉を添えて
くださいました。
「浅瀬で砂や石ころをいじって満足しているような志の低い者は、
深い水底で龍が宝の玉を抱いていることなど知らない。
小さな村に閉じこもって視野の狭い者は英雄が活躍する輝かしい
世界があることを知らない。」と。
本当にその通りですね。
高い志を抱いて、常人がなし遂げることができそうにない偉業に
挑戦する偉大なアスリートのことを尊敬することもなく、
彼の偉業について深く思いめぐらすことすらしない凡人達は、
浅瀬で砂や石ころを拾って満足しているのでしょう。
羽生選手の勇気ある挑戦は、歴史上かつてなかった偉業への
挑戦なのです。
これは確かに、石ころを拾って満足している人たちが得たメダル
以上に価値があると、私は思います。
五輪でメダルを獲った人たちは数多くいますし、時間の経過と
共に忘れ去れていきますけど、4Aに挑んだ五輪チャンピオンが
いたことや、4Aを跳んだと認定されたスケーターはただ一人
なのですから、その価値はメダル以上であるのは間違いありません。
羽生選手の偉業はこれからも世々に渡って語り継がれていく
ことでしょう。
太田さんのコラムを通してまた羽生選手の偉大さと、彼のスケート、
そしてもちろん、羽生選手のことがさらに好きになりました。
太田さん、とても心を打つ素晴らしいコラムをありがとう
ございました。_(_^_)_
太田さんは(ご自身のご趣味とはいえ)羽生選手について
書かれる方の中では一番、魅力的なライターさんですし、
私は心から尊敬し、お慕いしております。
是非これからも素晴らしい表現力と羽生選手への愛で、ステキな
コラムを書いてくださることをお願いしたいと思います。
その時は必ず、ご紹介させていただきますので。(*^-^*)
北京五輪は羽生選手にとっては悔しいことばかりだったかも
しれませんし、ファンも同じように悔しい思いでいっぱいですが、
五輪の演技からすでに18日ほど経った今でも、羽生選手を称賛する
言葉は次から次へとあふれ出てきています。
私達は嫌な記事や言葉よりも、羽生選手の真価を認めてくれたり、
称賛してくれる人たちの言葉を聞いたり読んだりして心を幸せで
いっぱいにしていきたいものですね。
「心に笑顔」ですよ、皆さん。(*^-^*)
今日もすっかり遅くなってしまいました。
それではまた(^^♪
PS:太田さんのコラムを読んでいただくためのリンク先が
間違っておりました。お詫びして訂正いたします。
正しいURLはhttps://note.com/ryoko_ohta/n/n1c7ca9e1fb98です。
申し訳ありませんでした。
今日の記事にも共感していただけたら応援をよろしくお願いいたします。
皆様のご支持を心から感謝しております。
人気ブログランキング
日本ブログ村では1位です。
いつも応援クリックしていただき感謝してます。
にほんブログ村
マリリンさんの「心に笑顔ですよ」とおっしゃった言葉、正に今の自分です。
フリー終了後から色々な感情の中で生きてきましたが、エキシが終わってからの日々、心の笑顔がどんどん増えてきた自分でもあります。それは各出版社が出す雑誌の表紙が全て羽生選手であることから感じた、今回の五輪の主役は紛れもなく羽生選手であったという実感、そして、アンチコメントがだんだん影を潜めて(元々胡散臭い出方でしたものね)通常運転の羽生選手絶賛コメントが増えてきたこの頃という経過によるものです。
余り好きな番組ではないのですが(ミッツのような風見鶏が嫌いだから)、昨日の語り亭を見ていて、4Aへの挑戦と認定が本当に誇らしいことだったのだと確信が持てました。
本屋さんのスポーツコーナーや雑誌コーナーが蒼い衝撃にジャックされていて壮観です。まだ今後写真集やダイアリーも出るのですね。他の出版社の物も聞いています。メダリスト達には申し訳ないですが、北京の主役はやはり羽生選手でした。多分、他のメダリスト達も認めて諦めていると思います。過去に何もメダルを獲得していない選手が、こんなにもてはやされたら嫉妬の一つも湧くでしょうが、何と言っても金メダルを二連覇で2個獲得している羽生選手だから、そして最年少国民栄誉賞受賞者の羽生選手だから、ノーメダルなのになぜ?なんて言う人は、あの界隈の人達だけでしょうね。
羽生選手の足の怪我が一日も早くよくなり、アイスショーに出演してくださることを楽しみに待ちます。チケット争奪戦がもっと激化しそうで心配ではありますが。