ゆづオンリーファンの皆さま、こんにちは(*^-^*)
時々、羽生選手のプログラムに関して素敵なコラムを書いて
くださる大田龍子さんによる『遥かに上がるや雲の羽風
羽生結弦の「天と地と」』が、イタリア語に翻訳され、
イタリアのサイトに掲載されました。
昨年の10月、イタリア・ナポリの国立考古学博物館で
ジャパンウィークが開催されましたよね。
その時、マッシミリアン・アンベージさんの「THE TOTAL PACKAGE /
TRIBUTE TO YUZURU HANYŪ」の公演を企画、公開してくださった
「L'ALTRO GIAPPONE」のサイトが新しく羽生選手の「天と地と」を
特集した「YUZURU HANYŪ | SPECIALE ‘TEN TO CHI TO’」のページを
作ってくださったようです。
そこに能楽師でエッセイストの太田龍子さんのコラムと、
日本の芸術家である清水みのりさんの素晴らしいコラムが
イタリア語に翻訳され、掲載されたということです。
「YUZURU HANYŪ | SPECIALE ‘TEN TO CHI TO’」
太田さんのお名前がちょっと間違っていますが、
大田龍子さんのことです。
ちなみに日本語で昨年書かれた太田さんのコラムはこちらです。
遥かに上がるや雲の羽風 羽生結弦の「天と地と」
私のブログでももちろん、昨年の1月7日にご紹介させて
いただいております。
ゆづの「天と地と」に関する記述がとても素晴らしい。
1年経ってまたこのコラムや2020年の全日本で披露された
羽生選手の「天と地と」と、2021年の「天と地と」を
もう一度見て見たいと思いました。
2020年の「天と地と」。
Yuzuru HANYU 2020 Japanese Nationals FS 羽生結弦 全日本選手権
フリースケーティング 「天と地と Heaven and Earth」
2021年の「天と地と」。
男子FS 1位 羽生結弦選手<ノーカット> 【全日本フィギュア選手権2021】
太田さんのコラムにあるように「まったくミスしそうな気配がない、
何かが乗り移ったような安定感。」
そして「翻る衣装の手元、なびく裾が羽衣のよう。」だという、
美しい衣装と羽生選手のしなやかな舞い。
「軍神にしては甘すぎる彩りだが…霞たなびくような空色を背景に
少しエキゾチックな曲線をなして金糸で縫い取られた枝、ふっくらと
淡く彩られた花々は室町末期に武将たちが好んだという辻が花染めの
沙羅双樹に似て、背に遊ぶ二羽の鳥が愛らしい。
揺蕩うようなしなやかさは飛天を思わせるけれど、微塵の隙もなく
空間を制圧し続ける鋭い表情とオーラは天軍を率いる毘沙門天、
それとも冷徹にして美麗なヴァルキューレか。」
「羽生結弦を象徴するイナバウアー、ハイドロブレーディング」
この観察力と想像力。そしてそれを描写する言葉の選び方が
さすがですね!(∩´∀`)∩
「フィギュアスケート界の神」でもあり、レジェンドでもあり、
「世界最高のスケーター」でもある日本の王者は、海外でも
大絶賛されるにふさわしい方です。
さらに、マッシさんがおられるイタリアで、羽生結弦選手が
特集されたページに、日本を代表するエッセイストや芸術家の
お二人のコラムが掲載されたということも特筆すべき点だと
思いました。
今回、このことを教えていただいて初めて「清水みのりさん」の
ことや、彼女の書いた「羽生結弦と上杉謙信戦略と美学の間」を
読ませていただいたのですが、とても素晴らしいコラムだと
思いました。
ぜひ皆さまにも太田さんのコラム同様、読んでいただけたら
嬉しいなと思いました。
そこで、イタリアのサイトに掲載されている清水みのりさんの
コラムを日本語に自動翻訳したものを載せたいと思います。
『羽生は、彼の有名なフリープログラムの1つで、すでに歴史上の
人物である安倍晴明を演じています。阿部は実在の人物、陰陽師でした 。
平安時代に宮廷に住んでいた(占星術師・魔術師)が、今日に受け継がれ
ている清明の性格は、ほぼ伝説的な人物です。
羽生結弦でさえ、21世紀の人間であるにもかかわらず、やや非現実的で
謎のベールに包まれています。競技会があると、彼は突然どこから
ともなく現れ、彼の超自然的なパフォーマンスを見せてくれ、競技会の
終わりにどこかで解散します。
ある意味、人間の世界と霊の世界の間を行き来した伝説と歴史の
キャラクターである安倍晴明の姿に重なっていた。
確かに、20年から25年の間に、羽生は私たちに遂行的行為の異なる次元、
ほとんど神聖な次元を繰り返し示しました。
26歳で初めて「天と地と」のプログラムを発表したとき、羽生はより
成熟したフィギュアスケート選手でした。
パンデミックのためにトロントに戻ってコーチに戻ることが
できなかったため、彼は暗闇の中で一人で長い間ジレンマに苦しみ、
上杉謙信の価値観と美学に共感したと報告しました。
ケンシンと同様に、羽生結弦も素晴らしいストラテジストです。
2014年ソチオリンピックで最高潮に達するオリンピックシーズンに、
ショートプログラムの後半で3アクセルとコンビネーションを行い、
100ポイントを超える素晴らしいスコアを達成しました。
フリープログラムでは、2つの異なるクワッドに加えて、プログラムの
後半に2つのルッツと2つのアクセルを含む7つのトリプルを実行し、
他のスケーターと比較して基本値の点で大きな違いがありました。
ソチでのオリンピック後、複数の4倍の時代の到来を予見し、4Loopや
4Lutzなどの新しいジャンプの獲得に取り組みました。
しかし何よりも、羽生のスケートには美学があります。
羽生は振り付けや音楽との調和を多くの4人組に犠牲にすることは
ありません。彼にとって、ジャンプは表現の手段でもあるので、
ジャンプは振り付けの一部であり、自然な方法でプログラムに
含まれている必要があります。
勝つことが優先事項である場合、今日では、多くの人がそうで
あるように、振り付けを排除し、ジャンプに焦点を合わせて
エネルギーを節約し、エラーのリスクを減らす方が良いようです。
そして、数年前に導入されたあいまいないわゆる「重大なエラー」
ルールのために、難しいステップからジャンプして転倒しようとすると、
スケートスキルやトランジションを含むプログラムコンポーネント
(PCS)の各アイテムのスコアさえも、均等に下げられます。
それで、長い目で見ればジャンプする方が安全で便利ではないでしょうか?
しかし、羽生はこれを決してしません。それはその美学に反するからです。
羽生結弦でさえ、常にライバルに大きな敬意を払い、時には
スポーツマンシップとは何かを全世界に示すことでライバルを
励まします。
羽生にとって、2019年の全国選手権は最終ラウンドを代表しました。
北半球での非常に長い往復を伴う3回の連続した競技会の中で、
彼の体調と精神状態は非常に疲れていました。
それにもかかわらず、彼はショートプログラムで見事に演技し、
110点という高い結果を達成し、ミスを犯したライバルを
打ち負かしました。
状況を考えると、今日、彼は4つのクワッドを実行するのではなく、
次のフリープログラムでチャンピオンシップに勝つことができた
と思います。彼は2つのタイプ(トウループとサルコウ)の3つの
クワッドを備えたより保守的なプログラムを選択しました。
しかし、ループを含めて4回のジャンプでプログラムを試すことを好み、
その結果、宇野昌磨にタイトルを与える一連のミスを犯しました。
極度の倦怠感にもかかわらず、なぜ彼はもっと保守的なプログラムを
選ばなかったのだろうか。
たぶんそれは私の想像ですが、それは彼の対戦相手への敬意からで
あったと思います。実際、開会式後のインタビューで、羽生は
次のように述べています。
「私はそれらを尊重したいと思います。彼らを軽蔑しないように、
彼らに私の最高のパフォーマンスを与えてください。」
羽生結弦は誰よりも勝つことを重視するアスリートですが、
「トリック」を使って勝つことはありません。
ジャンプ、スピン、ステップ…各要素に対する彼のテクニックは、
曇りがなく、完全にクリーンです。
彼の辞書には「浮気」や「不注意」はありません。
パンデミックのため、羽生は昨シーズン以来、トロントクリケット
クラブチームから離れて、一人でトレーニングを続けていることを
思い出してください。
ロシア人やアメリカ人を含む多くの最高のスケーターが、コーチや
振付師から毎日フィードバックを得ることができる専用のトレーニング
リンクを持っていることを考えると、世界ランキングのトップ
アスリートでオリンピックの金メダルを2人獲得した羽生の窮状は
夜しか使えない公道で一人で電車を走るのは本当に異常です。
しかし、羽生は2020年のナショナルズでも日本でのコーチを
望んでおらず、2021年版でも同じことをすることが想定されています。
それは強い決意の表れでした。「現在の世界の状況では、プライドと
競争したいのであれば、コーチに電話する必要はありません」。
2020年12月、羽生は「天と地と」の音楽に氷を打ち、まるで
戦争の神になってレースに勝ったかのような恐ろしい演奏でした。
羽生は次のように述べています。
「戦争の神はまた、彼自身の中で対立を持ち、最終的に世俗的なものから
離れて、啓蒙主義の領域に到達しました。その価値観と美学は私のものに
似ています」。
家臣と内戦の領土問題を仲介することにうんざりしていた健信が、
高野山に撤退して「世界から逃げ出したい」と初めて宣言したとき、
26歳だった。
不思議なことに、羽生は昨年の大会で初めてこのプログラムを
スケートしたのと同じ年齢でした。
羽生にとって、彼の次のターゲットである4Axelは、悟りの段階を
超えていると思います。彼だけが見て到達できる別のフロンティアへの飛躍。
人間の評価と判断を超えたフロンティア。
これには、必然的に主観的および組織的な思考が含まれます。
これは、4つのアクセルです。
羽生は、レースでこのジャンプを上手くやりたいと何度か述べています。
彼にとって、「上手くいく」とは、スケートの美学を犠牲にしてジャンプして
着地することだけを意味するのではありません。
それは、プログラムの流れの中で、ジャンプからスピンまでのすべての
要素が芸術的表現の一部であるフィギュアスケートの理想的な形として、
正しく切り離され、完全に回転し、美しく着地する必要があることを
意味します。羽生結弦と彼の美学です。
平昌オリンピックで金メダルを獲得した後、羽生は北京シーズンまで
レースのキャリアを続けることを想像したことはなかったと思います。
彼はおそらく彼の究極の目標である「土地四重アクセル」にできるだけ
早く到達し、撤退するつもりでした。
しかし、これまでのところ、怪我やパンデミックなどの繰り返しの
事件によってその目標は妨げられており、最終的には北京シーズンに
延期されています。』
清水みのりさんのサイト
日本の若い芸術家の方がここまで羽生選手のすばらしさを
語ってくださっていることに深く感動いたしました。
こんなに優れたアーチストでもあり、アスリートでもある
羽生結弦選手が日本の代表選手として北京五輪に臨むのですから、
日本人として誇りに思うのと同時に、羽生選手の技術や演技、
さらにはプログラムや曲のすばらしさを多くの人に知ってほしいと
心から願わずにはいられません。
羽生選手を応援するということは、羽生選手のすばらしさを
伝え続けることだと私は思っているので、これからもこうした
「専門家」の方が称賛してくださる記事やコラムをご紹介して
いけたらと思っています。
また、ちょっと中断してしまいましたが、マッシさんが語った
公演の内容も引き続きご紹介して行きたいと思っています。
それではまた(^^♪
いつもblogを応援してくださり、ありがとうございます。<(_ _)>
そして、今日の記事にも共感していただけたら応援を
よろしくお願いいたします。
皆様のご支持を心から感謝しております。
人気ブログランキング
日本ブログ村では1位です。
いつも応援クリックしていただき感謝してます。
にほんブログ村
本年もよろしくお願い申し上げます。
マリリンさん、太田龍子さんや清水みのりさんのコラムの紹介、ありがとうございます。羽生選手を応援することは、羽生選手の素晴らしさを伝え続けることだという記述に共感を覚えましたので、専門家でない素人目線ですがコメントさせて頂きます。
今回の全日本、運良く「天と地と」現地観戦するできました。去年の4月の国別も生観戦できたのですが、国別とは違った感動がありました。それは、今回未完ながらの4A投入と、4A以外は完璧な演技であったことに起因していますが、それ以外にも感銘を受けたことがありました。
先ず、着物に見立てた淡いブルーの生地に、桜や雀の飾りに彩られた衣装を纏い、さながら戦場や上杉謙信公の生きた空間を舞う姿は、壮大な絵巻物を観ているようでした。
また、現地で流れる音楽は、テレビやネットと違って音響も音量も重厚で、演技の物語性を一層盛り立てて、迫力満点でした。
実は、前季のSPレミエンのインパクトが強烈で、殆どレミエン兄さんをリピートしていたのですが、新SPロンカプの虜になり、今季の「天と地と」にすっかり魂を奪われてしまいました。
緻密に練られたプログラム、それを遂行するための血の滲む鍛錬の果ての演技、そんな渾身の演技を観て涙が溢れない訳がありません!
ゆづの演技は全て感動しますが、現地観戦で涙したのは、faoiの「春よ来い」と今回の「天と地と」です。
隣の見知らぬゆづファンの方も、すすり泣いてみえました。
ゆづは、北京で4Aを携えての三連覇を力強く宣言してくれました。その決断に至った思いをインタビューで知ることとなり、胸が痛むところもありますが、ゆづがまだまだ夢を見させてくれることに感謝して、私達はひたすら信じて応援するのみです。
北京まで後1ヶ月と迫った道のり、どうか、どうか、怪我なく健康で思い描く演技ができますように、4A成功と三連覇が叶いますようにと、祈念致します。