ゆづオンリーファンの皆様、こんにちは(*´ω`*)
今日も引き続き、惑星ハニューさんのブログ記事を参考に
しながら、マルティーナさんの深い考察を私なりにまとめ
させていただきたいと思います。
Sportlandiaより「ダニエル・カーネマン著ファースト&スロー
(速い思考と遅い思考)」
惑星ハニューさんのブログ
引用や言及させていただく部分が多々ありますが、その部分は
太字で強調したいと思います。
フィギュアスケートの試合では、最大9人のジャッジが
採点をします。
マルティーナさんがいうように「理論上は、ジャッジの
人数が多ければ、誤審の与える影響は低減されるはずです。」
マルティーナさんが書いてくださったところを「審判員」に
置き換えてみます。
『9人の審判員が全員自主的に答えを出した場合、平均値は
正しくなります。
※彼らが公正で有能であることが前提です。
しかし、審判員の一部が、それが正解か否かに拘わらず
別の審判員の答えに倣って答えを出した場合、平均の形が
崩れます。
フィギュアスケートではジャッジが他ジャッジの得点を
知らずに各自が独立して得点を与えた場合、最終的な結果は
正しくなるでしょう。』
しかし、残念ながらそうなっていないのが現状です。
実際、イタリアの悪質ジャッジであるヴァルター・トイゴは、
2010年に他ジャッジの出した得点をカンニングしたのです。
そのことにより、試合の結果を歪めてしまいました。
トイゴのやったことは重大でした。
ここで、「アンカー効果」について説明いたします。
●アンカー効果とは
『心理学において不確かな物事に対して予想や判断を
しなければならない時に、アンカー(初期値)が判断に影響する
心理効果を言います。
情報の断片や一部を必要以上に意識することによって、
物事を判断する際に判断があやまりやすくなることで、
アンカリングや係留とも呼ばれます。
目の前にある情報のが正しいものであるかどうかを
確かめる事が出来ない場合に起こりやすいというのが、この
アンカー効果のポイントとなります。
人間は、情報が十分に揃っていない場合、特定の特徴や
数値報等代表的な情報が強い印象として残り、その断片に
ばかり意識が向いてしまう傾向があります。』
出典:アンカー効果とは
『脳裏に1つの数字があると、望むと望まざるとにかかわらず、
私達はその数字の影響を受けます。』
マルティーナさんの記事に引用されているカーネマンの説明も
記載しておきます。
『未知の数量に対して数値を割り当てなければならない時、
人はまず選択可能は特定の数値から始めようとする。
この現象は、実験心理学で最も立証・認識されている
ものの1つである。
推定値は、被験者は出発点である数字付近に留まり、
それがアンカーのイメージを彷彿させる理由である。』
多くのジャッジ達がこの「心理的効果」を意識して狙って
いるのかどうかはわかりませんが、(いや…恐らくわかって
いてやっているものと思われます)
だから、多くの国の国内大会では、自国の選手たちの採点が
国際大会よりも「甘く」つけられているのでしょう。
マルティーナさんもそのように書いておられます。
『これが、多くのナショナル選手権でジャッジ達が自国の
スケーター達の得点を膨張させる理由です』と。
例えばですが、アメリカはネイサン・チェンを素晴らしい
スケーターであるという印象を国際大会で審判をする
各国の審判員たちに印象付けたいと思っているとします。
(現にそうしていますよね。)
その場合、「全米選手権」では、あらゆるミスを見逃したり、
GOEを実際の評価よりも大幅に高くつけることにより、彼の
得点を「膨張」させます。
この結果、マルティーナさんが表で表してくださったように、
ネイサンがシニアデビューした2016-17シーズンの全米選手権
以降に開催された4大陸選手権、世界選手権では演技構成点が
それ以前よりもアップしているのです。
つまり「アンカー効果は機能したのです。
全米選手権でチェンが9.00以上の得点を獲得したら、彼が
全米ほどではないにしろ、それなりのプログラムを滑ったら、
どうして8.50以下の得点を与えることが出来ますか?
本来なら純粋に彼の滑りを考慮すべきですが、もはやジャッジの
意識の中にアンカーが定着しており、得点は高くなります。」
フィギュアスケート界における悪い慣習ともいうべき、
ナショナルバイアスは、人間の心理を悪用した行為の
産物だと私は思います。
何が妥当な点数なのか、ジャッジが判定しかねている時に、
「直近の試合の数字」を参考にしたり、隣の席にいる
ジャッジがつけた点数をカンニングしたとすれば、採点が
正しく行われることは期待できないでしょう。
しかも、そうしたジャッジが単独ではなく、お互いに
それぞれの国の選手を有利にするべく協力しあっていたならば、
もう防ぎようがありません。
ちなみに、ジャッジ達には、アンカー効果とは別の心理が
働くことがあります。
ハロー効果というものです。
フィギュアスケートの公平な採点は難しい?「ハロー効果」の呪縛
から引用・参照しています。
『「ハロー効果」とは、特定の項目や要素による評価が
全体の評価に影響を及ぼしてしまうことを指します。
フィギュアの例で言えば、現行の採点法では技術点と
構成点に分かれ、構成点はさらにスケート技術、
パフォーマンス、曲の解釈など5つの項目に分かれている
のですが、何か一つの項目の評価が目立って高い選手が
いたとき、他の4項目も含めて全体として(実態以上に)
高く評価してしまうというものです。
(何か一つの評価が目立って悪いとき、他の項目も低く
評価するケースもありえます)。
本来であれば、評価項目があらかじめ分かれているという
ことは、評価者側は各項目について独立の視点で評価
しなくてはなりませんが、人間心理としてそこまで
カッチリ割り切るのは難しいのです。
厄介な点は、評価者は別に意図して「この人はある要素が
素晴らしいから、他の部分でも評価を甘くしてやろう」
としているのではなく、「無意識のうちに甘くなって
しまう」ところにあります。
これは見方を変えれば、何か突出した長所を持てば、
それとは直接関係ない他の要素の評価も有利に獲得
しやすくなる、ということでもあります。』
これもアンカー効果同様、採点に影響を及ぼしているような
気がしますよね。
高難度ジャンプを数種類跳ぶことができるというだけで、
あたかもほかの要素まで優れていると判断してしまうという
ことがあるような気がします。
ただ、ジャッジになるということは毎年、研修も受けて
いるでしょうし、難しい試験に合格しているわけなので、
「勘違い」だとか、「先入観」で採点することはあっては
ならないはずなのですが…。
やはり、マルティーナさんがおっしゃるように、過度な
「偏向ジャッジは資格を剥奪すべきだと思います。」
今回取り上げたマルティーナさんの記事には後編がありますが、
それについてはまた次回に取り上げたいと思います。
今日は15:30からの仕事なのでブログはまた明日、更新いたします。
それではまた(^^)/
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マリリンさん、いつもながら詳細かつ重要な記事を上げてくださり本当に有難うございます。大切な内容なので、一字一句ゆっくりと読ませていただきました。納得すると同時に、ものすごい怒りの気持ちが湧いてきました。羽生選手はこんな中で、五輪二連覇を成し遂げたのだと感慨無量です。
何よりもやる気をなくすことなく、自分を信じて道を切り開いてきた羽生選手です。この彼の切り開いた道を正しく継承してくれる後輩の成長を願う気持ちが強くなりました。残念ながら、今のところ羽生選手を正しく継承できる後輩は一人もいません。佐藤君、三浦君あたりがごまかしのない力で正しく育ってくれることを願うのみです。
ところで五輪の可否決定のリミットが近づいてきているようです。私は昨年のコロナ発生以来、一貫して中止論でした。というより中止しか日本が生き伸びる道はないと思ってきました。コロナが少し緩んだ時期に、五輪実施を夢見た人達もいたようですが、もしこのまま実施に向かえば自殺行為に等しいと思っています。ですから、細々と続く聖火リレーのニュースを見る度に虚しさが込み上げてきます。
もしコロナもなく、まともに五輪が行われていたなら、羽生選手は間違いなく最終点火者の一人として選ばれ、それも素敵だっただろうなと思いますが、何より日本全体の健康保持が一番です。政府も東京も、そして形骸化している組織委員会も、早く中止決定をして、コロナ撲滅に全力で取り組んでほしいものです。
全く違う話で恐縮ですが、河合元法相夫妻の不祥事で広島県は有名になってしまいました。確かにこの人達のしでかしたことは恥ずかしいことで、許されるべきではありませんが、後ろで糸を引いていた人達が、今責任の押し付け合いをしているのを見て、本当に情けなく思います。河合夫妻が全部暴露すれば済むことですが、闇は深く、この二人も余生を考えると出来ないのでしょう。
フィギュア界を見るにつけ、似たようなものだと思えるので、いっそ全て暴露して政界を揺るがせてくれれば、この河合夫妻の存在意義も少しは出てくるのかなと思っています。
あの五輪組織委員会の会長も、河合夫妻と似たような経歴の持ち主で、叩けば誇りはもくもくと出てくるはずです。しかし、マスコミって結局はだめですね。流されっぱなしです。
マリリンさん、連日濃厚な記事を上げて下さり有り難うございます。
私も一字一句噛み締める様に読ませて頂きました。
そして、歴ちゃんの改めて【怒り】にウンウンと頷くばかりです。
平昌五輪でよくぞ【2連覇】出来たなぁ〜と、昨日久しぶりに録画見ましたよ。既にネイサンが優勝と上げ上げ⤴️とマスコミもやってる中、空港に爽やかな笑顔で現れたゆづ。ただ歩くだけでオーラがあり体操の内村さんが言う
『勝ちに来ました』が全開でした。
今だったら、、とても総合300点超えは、、かも知れない。
本当にゆづは神様に愛されてるな🎵
ゆづは一言も北京に出るとも言ってないのに、何故か雨推しキャンペーンが凄いですね。ロシアと何か密約がありそう。
ここまで来るとスポーツじゃないやん。水泳のシンクロナイズ、新体操とかはどの様に採点してんだろか。
マリリンさん、連日中身の濃いブログをあげてくださり、ありがとうございます。
>マルティーナさんがおっしゃるように、過度な
>「偏向ジャッジは資格を剥奪すべきだと思います。」
マリリンさんのこの言葉に、同意します。
ジャッジには、フィギュアスケートがスポーツとなる未来を担う責任感、プライドを持ってほしいです。
マリリンさんには、ハロー効果、アンカー効果など、丁寧に解説をかみ砕いていただき、大変な労力をおかけしました。心から感謝しています。
いよいよ、ジャッジの仕事の軽減、正しい判定にはAIが必要ですし、ジャッジの倫理観が強く求められることになりますね。
羽生選手の卒論は、その突破口になることを期待してやみません。