偏向ジャッジやバイアスは存在する - 羽生結弦 成功への軌跡

偏向ジャッジやバイアスは存在する


ゆづオンリーファンの皆様、こんばんは(*´ω`*)

今日は大変遅くなりましたが、惑星ハニューさんのブログ記事を
取り上げさせていただきたいと思います。

とはいっても最新記事ではなく、先週上がっていた記事です。

いつもながら、マルティーナさんの記事は読みごたえがあります。

どれだけ簡潔にわかりやすくまとめることができるのか、やって
みなければわかりませんが、頑張ってみます。

この記事は前編と後編がありましたね。

必要に応じて、惑星ハニューさんのブログ記事を引用させて
頂いております。

Sportlandiaより「ダニエル・カーネマン著ファースト&スロー
(速い思考と遅い思考)」

惑星ハニューさんのブログより。

最初にマルティーナさんは、ダニエル・カーネマン著の
「ファースト&スロー」という本は『全てのジャッジ、
ジャッジの試験を受ける人達、既に試験を受けた人達全員に
読むことを義務付けるべき』だとおっしゃっていました。

フィギュアスケートに必要なのは公正なジャッジと、優れた
テクノロジーだけではなく、優秀なジャッジも必要
」だからです。

マルティーナさんはこれまで多くの偏向ジャッジについて
書いてくださいましたが、「偏向ジャッジと言っても非常に
多くのケースがある
」のだとか…。
そして、「偏向ジャッジは資格を剥奪すべきである」とバッサリ、
言い切っていました。

「フィギュアスケートの採点におけるナショナルバイアスは、
特定の状況において発生する予測可能な先入観である。」

カーネマンは「容姿端麗で雄弁というそれだけの理由で、
実際より信頼性があるように見える一人の演説者を例として
挙げています。


この時に重要なのは話し手の外見が私たちに与える影響です。

「私達は醜く不器用な人が同じことを言うより信じてしまう
傾向がある
」というのです。

フィギュアスケートの採点の場合、「全てのジャッジがナショナル
バイアスに陥る訳ではなく、全員が同じ方法でナショナルバイアスを
実施する訳ではありません。

自分のやっていることを完全に自覚してそれを行う人もいれば、
無意識に行っており、適切なトレーニングによって改善される
可能性のあるジャッジもいます。
」』
と、マルティーナさんはおっしゃっています。

カーネマンによれば、「ほぼ全ての思考と印象は、我々の意識
経験の現れである。
例え、それらがどのように提案されたのか
自覚がないとしても。」です。

人間は、その問題を自分の記憶から簡単に呼び起せるかどうかで、
問題の相対的重要性を測る傾向がある
のです。

その多くは、メディアがその話題をどれだけ扱っているかによって
決まります。


そして「メディアがピックアップする話題は、メディア自体が
その瞬間、大衆の意識の中にあると考えている話題
」なのです。

これは私たちの思考は知らず知らずのうちにメディアにより
この問題はとても重要な問題なのであると刷り込まれている、
という事なのかもしれません。

マルティーナさんはこうおっしゃっています。

メディアと彼らによる執拗な宣伝に影響されるのは、その話題の
重要性だけでなく、その話題に対する私達の印象です。


何故、欧米メディアはネイサン・チェンが素晴らしいチャンピオン
であることを強調するのでしょうか?


チェンはほとんどミスをせず、多くの4回転ジャンプを跳びます。
強いスケーターであることに議論の余地はありません。
しかし、本当にメディアが言うほど強いでしょうか?
」と。

ここまで読んだだけでも、すでに問題の本質がわかって
きましたよね。

つまり、私たちはメディアなどから与えられるある情報や、
その問題を取り上げる回数が多ければ多いほど「これは重要な
問題である」と認識させられているのです。

フィギュアスケートであれば、「今の男子フィギュアで最高、
最強のスケーターはアメリカのネイサン・チェンである」と
常にメディアが宣伝していたら人々も、ジャッジをする人間も
そう認識してしまうという
事になります。

アメリカメディアの中にはチェンをあろうことかディック・
バトンと並べた人もいた
」ようですが、実際に「メディアが
チェンと彼のダンサーとしての資質を持ち上げ続ければ、
記事を読み、実況を聞いたジャッジ達もチェンのスケーティングは
素晴らしいと確信し、彼の演技構成点は上昇します。

と、マルティーナさんはおっしゃっています。

しかし、そのような評価をする前に、ジャッジは「チェンの
プログラムを分析して、クロスオーバーの数とステップシークエンス
以外で彼が実施している難しいステップの数を数えるべき」

であると勧めています。(笑)

ここから先は、実際にそのような「宣伝効果」のおかげで、
過去の国際試合で何が起こったかを詳細に説明していました。

ここでは2019年のGPファイナルの採点を例に出しています。

この時のネイサン選手のSSはといえば、「クロスオーバーだらけで、
コレオシークエンスでは躓きました


…にもかかわらず、彼は+4と+5ばかりをもらっています。

それは何故ですか?ジャッジ達には彼のつまずきは目に
入らなかったのでしょうか?

恐らくジャッジ達はこう答えるでしょう。

チェンは世界選手権で2度優勝し、ファイナルで3度優勝しました。
従って彼は強いスケーターです。


彼が優勝した大きな大会のうち2回は、五輪王者が欠場した
大会でしたし、出場していたとしても、右足を負傷していて
本来の出来ではありませんでした。

しかしそういうことは一切、考慮されることはありませんでした。

ただただ、優勝したという「名誉」と「実績」だけで、
本来ならもっと減点されてしかるべき演技に対して、高得点を
もらったのです。

つまり、ジャッジ達は「チェンのスケーティングスキルではなく、
彼の名声に」
得点を与えたのです。

このカーネマン氏の言う「速い思考」とは直感的な答えであり、
「遅い思考」は熟考を含んでいます。

様々な要因について考察し熟考すれば時間はかかりますが、
過ちを犯しにくくはなります。

しかし、マルティーナさんがいうように「普通の状況では私達は
速い思考に導かれます。


ちょっと端折りますが、次の例は2020年の全日本選手権の
羽生結弦のショートプログラムです。

以下に記す4人のジャッジはあの完璧な3Aに対してGOE+5を
与えることを良しとしませんでした。

宇垣静子(J1)、佐々木盟子(J3)、堀内律子(J8)、下出彩子(J9)

マルティーナさんはこう問いかけます。

「あの3アクセルに何が足りなくて+5に値しなかったのでしょうか?
+4を与えたということは、ブレットの4)、5)、6)の内2項目を
満たしていなかったということになります。

善意に解釈しても、彼らが緊急にジャッジ育成コースを受講する
必要に迫られているのは確かです。


彼らが「彼ならもっと出来るはず。だから+5ではなく+4を
与えよう」と考えたのであれば、彼らは採点方法を完全に
間違えていたことになります。ジャンプは完璧でした。

従って、そのスケーターの能力に関係なく、純粋にその大会で
実施されたジャンプを評価しなければなりません。


また、マルティーナさんがいうように「もしも彼らが盲目だったなら
ジャッジ席にいることはふさわしくありません。

次も同じ3Aで検証しますが、選手は鍵山優真です。

SP 3A GOE 3.73

2021年冬季国体フィギュアスケートのショートプログラムの
3アクセルです。残念ながら鍵山の動画は羽生のより短いです。

結弦はジャンプの前に他の選手にとっては完全なステップ
シークエンスに相当するような代物
を入れています。

しかしこの時も5人のジャッジはトランジションに9.25点、
別のジャッジは9.00しか与えていませんでしたが


「一方、鍵山はジャンプの前に3秒間の助走しかありませんでした」。
つまり、鍵山は助走から跳び、羽生はステップシークエンスから
跳んでいる。
鍵山のジャンプにはプレロテがあり、羽生のジャンプにはない。

鍵山の着氷は少し沈み込み、全体的に良い出来ですが、
エフォートレスではなく(すぐに次の動きに移っていますが)、
回転はギリギリです。

羽生はステップシークエンスからまるで世界でも最も簡単な
ことのように軽々と実施しています。


それでも!鍵山の最終的なGOEは3.73で、
羽生のGOEを上回りました。

これも「速い思考」で考えた結果だといえるでしょう。
マルティーナさんの言葉を借りれば、『彼らは各ブレットを
考慮することなく「綺麗なジャンプだ、気に入った!だから+5」
と考えたのでしょう。


本来、フィギュアスケートにおける採点は、「遅い思考」で
行われるべき作業です。

でもそれは、とても現実的とは言えないのが現状ですね。

今回、マルティーナさんの書かれた記事を全部、考慮した
かったのですが、長文であるのと、端折ることでせっかくの
素晴らしい見解が正しく伝わらなくなるのでは?と思い、
今日はここまでにしたいと思います。

続きは次回にまた書かせていただこうと思います。

「アンカー効果」という「マーケティング用語」が出てくる
のですが、心理学において不確かな物事に対して予想や判断を
しなければならない時に、初期値が判断に影響する心理効果

言います。

このアンカー効果がフィギュアの採点にどのように影響を
及ぼしているのか?という事を取り上げてくださっているので、
大変興味深い内容となっていました。

明日は仕事があるので、書けないかもしれませんが、なるべく
早く書きたいと思います。


●記事の中に出てくるネイサン選手の演技動画。
2019年GPFフリー。

YouTubeにあがっているものをお借りしています。

https://youtu.be/Ty1HVrV9IMg


https://youtu.be/9RHcBjFiC4c


https://youtu.be/orcB4K2a5KA


マルティーナさんの記事はとても専門的であり、様々な
文献を引用したり参照したりしながら論じているので、
信頼に足る内容だと思いました。

だからなのでしょう。脅迫まがいのこともされてしまって、
大変でしたね。

脅かしてでもやめさせたい何かがあるという事ですよね。

フィギュアスケートというスポーツを純粋に愛し、競技の
発展のために頑張っている選手たちの努力を踏みにじる
ような行為は本当にやめて欲しいです。

国籍がどうであれ、素晴らしいものにはきちんと評価を
するのが、ジャッジを任された人の責任であるはずです。

自国のアスリートに少しでも有利な判定をしたい気持ちは
わからなくもないですが、度を越した偏向採点は不正であり、
れっきとした「犯罪行為」だと思います。

人は間違いを犯すものですから、意図せずして起きる誤審を
責めるつもりはありません。

ですが、意図的で悪意のある「偏向ジャッジ」に関しては
許すことはできません。

日本ではあまりこういうことを詳しく調べたり、分析して
くれる記者やメディアはほとんどいないのが悲しいです。

なので、イタリアのマッシさんやマルティーナさんの
見解を聞くのはとても心強く思います。

そういう方がたの言葉を翻訳してくださり、記事にして
くださる惑星ハニューさんのブログはとてもありがたいですね。
これからも記事を楽しみにしています。

いつもblogを応援してくださり、ありがとうございます。<(_ _)>
そして、今日の記事にも共感していただけたら応援を
よろしくお願いいたします。
皆様のご支持を心から感謝しております。


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2021-05-17 | Comment(2) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マリリンさん、皆さん、おはようございます。

マルティーナさんの論文記事をあげて下さり有り難うございます。前編、後編と長いのでまとめるのは至難の業です。
マリリンさん、流石です。👏👏

イタリアのトリノでのGPFの動画を観て怒りが込み上げてきました。
ここでネイサンの既成事実を作ってしまったと思ってます。いわゆる偏向採点も。
トリノではブリアンのパスポートが盗まれた事、コーチがいない中公式練習で4Aを跳んで体力を使った事など色々ありました。
この時の日本のジャッジが前田真美さん、
完璧な4Lo、4lzに3しか与えていませんし、
本当に節穴❗️❗️イタリアのジャッジもマッシさんが謝るぐらいに酷いものでした。PCSが8.75が3つもありますから…総合得点40点以上のあり得ない差です。
これを引き合いに最近、ラファエルがロシアのインタビューでネイサン=高級料理、
ゆづ=安物コンビニの料理と言って、勝ち誇っていました。
裏を返せばゆづが怖いのかもしれません。
何をしてくるのか安心が出来ないから。
トリノの事はこれぐらいにしておきます。
マリリンさん、
またマルティーナさんの記事の考察を楽しみにしてます。
海外のマルティーナさん、マッシさんにはほんとうに頭が下がります。
Posted by トミ at 2021.05.18 09:29
マリリンさん、ゆづオンリーファンの皆さん、こんにちは!
マリリンさん、いつもすばらしい記事をご紹介くださり、ありがとうございます。

マルテイーナさんのコラム、正直長いので少ししか読んでいませんでしたが、このようにマリリンさんがその要点をしっかり押さえてまとめ上げてくださって本当に助かりました。どんなに大変だったでしょう! 本当にありがとうございます。

カーネマン著の「ファースト&スロー」に基づき、これ程詳しくフィギュアの問題点を明確に鋭く指摘してくださったマルテイーナさんの勇気ある行動に心から感謝したいと思います。その通り!と膝を打ちました。ぜ〜んぶ、不審に思っていることを言ってくださってスッキリします。ISUもスケ連もすべて分かってやっていることですよね! 
選手に限らず、フィギュアを愛するファンにとっても最も改善してほしいところであり、クリーンな採点を見て心に何のわだかまりもなく、競技を楽しみたいと誰もが願っていることの筈です。(現在、その偏向ジャッジの恩恵を受けている選手はどうか分かりませんが・・・)

採点について卒業論文を発表した時点で様々な批判などが起こることは羽生選手にとってもすべて想定済みだと思います。
そして将来この論文がきっかけとなってジャッジシステムが体操のように正確なジャッジができるようにAIを導入する日が来るかどうか、全く分からないけれど、引退が明らかに近づいている羽生選手にとって今、やらなければならなかった事なのでしょうね。
「何故4Aをやるのか?」という質問に対して「自分が納得したい」と答えた羽生選手は自分の持てる力を最大限発揮してフィギュア界に貢献したい、何かをやり残して後悔しないように全力を懸けているんだな〜と羽生選手のその熱意が伝わってきます。

マスコミの力は確かに侮れないかも知れませんが、いくらマスコミが誇大評価しようが、人々は真実を見抜く力を、正しく評価する目を持っていると信じます。
現にドイツでの羽生選手の世選SPの動画閲覧数がすごいことになっています。
そしてマルテイーナさん、マッシさんのような方がいてくださり、どんなに心強いでしょうか!
羽生選手のように「どんな状況に陥っても決してあきらめない」。
何があっても前に進もうとする力は悪い連鎖を断ち切ってくれると信じます。
Posted by yukiko at 2021.05.18 10:50
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