素晴らしいエッセイ。あの世界選手権の羽生結弦を見て。 - 羽生結弦 成功への軌跡

素晴らしいエッセイ。あの世界選手権の羽生結弦を見て。


10月21日の記事です。

ゆづオンリーファンの皆さま、こんばんは(*^-^*)
私たちの誰もが感動した、今年の春に行われた世界選手権。

あの時の羽生結弦選手の様子をとても素晴らしい文章で
描写したエッセイを読ませていただきました。

とても感動し、共感したのでぜひ皆さまにも読んで
いただきたいのでご紹介したいと思います。


エッセイはとても長いので、ここは是非見てほしい
という部分を抜粋させていただきました。

でも、ぜひ引用元に行き、全文をお時間を取って
読んでみてください。

鬼たちに捧ぐ 羽生結弦に幽玄を見た日
文・太田龍子 2019年10月21日 02:10
PIKIV

2019年フィギュアスケート世界選手権、羽生結弦観戦記。
「Origin」を舞う羽生選手の姿は能楽の早舞いを見るように
神々しく、同時に激しい勝利にへの渇望をうかがわせる
鬼気迫るものでした。

(中略)

フリー演技前の公式練習の様子から

『2019年3月23日世界フィギュアスケート選手権最終日、
男子シングルフリーの競技開始は約九時間後だ。
リンク上ではショートプログラムで7位から12位の成績だった
スケーターたちがそれぞれの軌跡を描いて最後の公式練習に臨んでいた。
持ち時間終了1分前を告げるアナウンスが入るころ、3割ほど
埋まっていた客席は歓声ともなんともつかない、押し殺した
悲鳴のようなざわめきに覆われた。

ジャージのポケットに手を突っ込んだ羽生結弦が階段を
上がって姿を現したのだ。

空気の色が変わり、一気に高まる緊張感。

いよいよ優勝を争う最終グループの最後の公式練習が始まる。
前のグループのスケーターたちは次々とお辞儀をしてリンクから
上がっていくが、下見のジャッジたち、メディア席でカメラを
構える報道関係者たち、そしてこの練習を見たいがために
午前十時の開場直後から入場している観客の視線はすでに
ほぼ羽生一人に集中していた。』

(中略)

(羽生選手の)一挙手一投足に拍手とざわめきが広がる。

(中略)

羽生は引き締まった表情のままにこりともしない。

(中略)

リンク上の羽生は時々コーチのもとへ戻っては二言三言
言葉を交わし、フリープログラム冒頭からの流れに沿って
4回転ループ4回転サルコウまでを繰り返した。
昨日の公式練習でも何度も確認していたというパートだ。

(中略)

一昨日のショートプログラムで4回転サルコウが2回転になる
ミスがあったためにトップのネイサン・チェンとの差は約13点と
開き、3位に甘んじている。

(中略)

羽生のことを「世界で最も奇跡を起こすのに慣れている男」
と欧州の某解説者は呼ぶ。常識では無理でも彼ならばやるかも、
と思わせるだけの実績があるからだ。

(中略)

彼は独創的なパワーワードを操って観客から解説者、
スポーツ記者、そして自分自身をも暗示にかけているようだ。
妖術師の究極の魔法は敵ではなく自身に施すもの、という
話を思い出す。

自らに術をかけ「常ならぬもの」に変身することによって
追随を許さない絶対的な境地に入り込んで行くのだろう。
公式練習開始後約二十分、Yuzuru Hanyuの名がコールされ、
最後の曲かけ練習が始まった。

(中略)

多くの選手は回転しながら跳び上がるが、
羽生のジャンプは跳び上がって十分な高さを得てから
悠然と回り始める。


高さと飛距離がともにずば抜けているからこそ生まれるこの
離氷と回転開始の間の「間(ま)」が、実際には高速回転である
にもかかわらず、ゆっくりと回っているような不思議な印象を
生み出す。

跳ぶのではなくと飛翔しているようにさえ見えるときがある。

(中略)

4回転ループは、現在実施されているジャンプの中で
最高得点が得られる4回転ルッツよりも実は難しい
と云う
専門家がいる。

それはエッジの先端の一点で踏み切るルッツよりエッジ全体で
踏み切るループのほうが氷の状態に影響されやすく回転数が
上がるにつれてより難度が高まるから
だという。

今回の世界選手権でも4回転ループにトライするのはおそらく
羽生だけだ。

常設リンクではないさいたまスーパーアリーナのこの大会用に
張られた氷は異常に暖かい外気の影響を受けて軟らかい
といわれていた。

スケーターはその時その時で異なる氷の状態を読んでジャンプを
調整するのだが、おとといのショートプログラムでは一部の表面
が解けて水たまりができていた
らしい。

ループを跳びにくい氷なのだ。

執拗しつように高難度ジャンプを繰り返す羽生を観客は
息を殺して見つめている。

失敗するたびにさざ波のようなどよめきが広がる。

(中略)

気付けば最終グループの6人のうち4人がすでに氷を上がり、
残るのは羽生とネイサン・チェンの二人のみ。
残り1分がコールされ、それでも羽生は4回転ループを跳びに行く。
最後にややこらえ気味にではあるが成功させ、ようやく観客席と
コーチに挨拶して氷から上がった時、リンクサイドに他の選手は
一人もいなかった。

反対側のフェンスが開けられ、昼過ぎから開始されるペア競技に
備えて製氷作業が始まったが、羽生はなぜか二人のコーチとともに
リンクサイドにとどまっている。

ジャンプの入りを確認するように体を動かし、氷上に残してきた
軌跡をたどるように指先をくるくると動かす。

何かに納得できないのだろう。

タブレットを広げて画像を見てはジャンプコーチのジスラン氏に
しきりに話しかける。

次々と整氷車が入ってきたが、羽生の目にはその作業も、
息をつめて注視するスタンドの幾千の眼も映っていないようだ。
公式練習終了後にリンクサイドに長くとどまるなど異例のことで、
他の大会でも見た覚えがない。

しかし、羽生はスタートからのループジャンプ、サルコウ
ジャンプまでを確実に成功させるイメージをつかもうとして
いるようだった。

ついにはイヤホンを取り出してつける。
曲を聴きながらイメージトレーニングをしているのだろうか。

平昌オリンピックの際は、公式練習でも余裕のある笑みさえ
浮かべて、軽い練習しか見せず、周囲を煙に巻いた羽生。

あの怪我では優勝は無理、金メダルはアメリカのネイサン・チェン
という予想が飛び交うなかで「勝つ」と宣言し、楽しくて
たまらないかのように自信たっぷりにふるまい続け、決して
怪我の状態の悪さも内心の不安も悟らせることなくショート
プログラムで首位発進し、そのまま2つ目のオリンピック
金メダルを手に入れた。

しかし、ショートプログラム3位と出遅れたこの世界選手権
フリーでは、4回転ループを含めたすべてのエレメンツを完璧に
仕上げなければ勝利は難しい。

勝つためには何がなんでも最初のループジャンプを成功させる
という羽生の意思が痛いほどに感じられた。

闘争心が人一倍強いといわれる羽生だがここまでの姿を見せる
のは珍しい。怪我や体調不良で直前練習がボロボロでも本番では
驚異的な集中力で予想を覆して見せる羽生。

その苛烈で予測不能なところがまた人を惹きつける。

今、ここで最後の公式練習を見ている観客のほとんどは
そうした羽生に夢中になって世界中から集まり、試合開始の
半日も前からアリーナの堅い椅子に座って固唾を飲んでいるのだ。


(中略)

試合は進み、最終グループの6分間練習が始まる。
リンク上を動くのは6人の選手たち。しかし、カメラマンたちの
長い望遠レンズは羽生一人の滑りを追いかけて、まるでダンスを
踊るフラミンゴのように一斉に同じ方向に動く。


(中略)

しなやかな上半身。繰り返し差し伸べられる腕。
見事なのは時計回り、反時計回りの繰り返しに複雑なステップを
組み込んだ足技
だ。

ほとんど片足だけでターンしながら移動し、氷を蹴って
いるようには見えないのにいつの間にか加速していく。

エッジのカーヴ上で巧みに体重を移動させて作り出す緩急に
乗った変幻自在の動き。追いすがるように腕と上体を撓わせ
ながら氷上を流れていくその姿は、カオスから最初に生れ出た
神とも魔物ともつかない何ものかが自分以外の存在を求めて
さまよっているかのようだ。

(中略)

何かを追い求め、手繰り寄せようとするかのような羽生の
ステップシークェンスもまた足元は複雑なステップを踏んで
いるのに上体には全く縦揺れが伝わらない。

それが上半身のしなやかな躍動を際立たせて、神か、
獣けものか、まるで人ならざるものに見える。

(中略)

アリーナの屋根が吹き飛びそうな大歓声が爆発し、
黄色いクマのぬいぐるみと花束が滝のように投げ込まれる。

私も叫んでいたと思うが自分の声さえ聞こえない。

これほどの熱狂はフィギュアスケート史上はもちろん、
冬季スポーツ全体を通しても類を見ないのではないか。


ここで、まったく知らない人にこれは宗教で羽生はその
神なのだと説明したら信じただろう。

しかし、オペラグラスを最大倍率にしてみたフィニッシュの
瞬間、羽生は神というよりも魔物の顔をしていた。

勝利に飢えた眼差しの強さ、それは目に金が施された鬼神の
面おもてを連想させた。

(中略)

羽生のもう一つの凄みは芸域の広さだ。
「Origin」は荒ぶる神のような威厳があるが、昨シーズン
までのエキシビションナンバー「Notte Stellata(The Swan)」
では女子以上に優美な白鳥になりきって見せた。

(中略)

羽生には役者も顔負けの演技力が備わっている。
能に例えるなら久石 譲の Asian Dream Songで世界最高
得点を記録した「Hope and Legacy」は「神」、
Princeの名曲でニューヨークタイムズの一面を飾った
「Let's Go Crazy」は「男」、
「Notte Stellata(The Swan)」は「女」だろうか。
2012年ニース世界選手権の「Romeo + Juliet」で
見せた狂恋の演技は「狂」の極みである。

(中略)

衣装の力もあるだろうけれど、羽生の、顔立ちまで変わって
見えるほどの憑依系の表現には感嘆してしまう。
アスリートであると同時に役者であり表現者として稀有の
才能の持ち主であると思う。

(中略)

この、2019年の世界選手権は羽生の次に滑った
ネイサン・チェンがほぼ完ぺきな4回転ジャンプを5本
そろえて首位を守った。

銀メダルに終わった羽生は直後の会見で勝者をたたえると
同時にリベンジを誓い、その方策として怪我で封印した
4回転ルッツの復活、さらに未だかつて誰も成功させた
ことがないの最高難度ジャンプ4回転半アクセルの
実現を口にした。

回復しきっていない右足が心配だが、常識や予測が意味を
なさないのが羽生結弦だ。「やる」と口に出したからには
凡百の考えの斜め遥か上を行く何かを見せてくれるだろう。
 猛々しいほどの若さが眩しい。』

この動画を見るとより、エッセイの感動が伝わります。
↓↓↓

動画:Mサンデー羽生結弦

動画:世界選手権前 公式練習 羽生結弦選手

動画:羽生結弦選手ヘルシンキGPSフリー


今年の世界選手権は、羽生選手にとってかなり
崖っぷちだったのだと思います。

言っても仕方ないですけど、SPでのサルコウのミスが
なかったら、もしかしたら逆転が可能だったかも
しれないという気持ちと、あるいは負けたとしても
もっと僅差での争いになっていたのではないかという
悔しい思いが未だに交錯します。

しかし羽生結弦は逆境や口惜しさをバネに成長してきた
素晴らしい選手です。

今季はリベンジに意欲を燃やしているに違いありません。
シチズンでのインタビューでも「いつも1位でありたい」
と、王者としての誇りをのぞかせていました。

私たちはそんな羽生結弦が大好きです。

どんな時も勝ち続ける!

それが真の王者だと思うのです。

いよいよ今週末には羽生結弦の初戦が始まります。
今度こそ、カナダ大会で悲願の初優勝を!
ファンも心からそれを望んでいます。

頑張れ!羽生結弦選手!みんなが応援しています!


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2019-11-01 | Comment(7) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
素晴らしいエッセイのご紹介、夢中になって読みました。
これ程まで註カ選手のすごさを見事に的確に表現してくださって
嬉しい限りです。さすがの羽生結弦だと本当に誇らしいです。
動画を観てあの世選の興奮と悔しさが甦ってきました。

マリリンさん、明日もお仕事ですか?
ゆっくり休めますように!
Posted by yukiko at 2019.11.01 11:40


 あー、やっぱり分っている人は分かってるなという感じですね。
日本では捏造と印象操作の記事が多すぎて、スポーツとしての、そして芸術としてのフィギュアスケートが、歪められて伝えられることが多いですが、この方のエッセイにはいちいち納得です。
 考えてみたら、五輪二連覇の大選手ですから当たり前と言えば当たり前なのですが、羽生選手の凄さを的確に表現できる解説者やエッセイストは意外と少ないので、今日は読ませていただいて本当によかったなと思います。

 スケートアメリカも一応見ましたが、物足りないですね。カリスマ性と演技のインパクトのなさが原因かと思います。女子の方がよかったかな。

 このエッセイストの方も、次のカナダ大会を楽しみにしていらっしゃるでしょう。世界中に広がるユヅファンが、今か今かと待ってくれているでしょうね。後はただただ公正なテクニカル及びジャッジに恵まれますように。
Posted by フィギュアファン歴36年 at 2019.11.01 12:55
おはようございます
マリリンさん、新しいお仕事に就かれてお忙しい中の更新、いつもありがとうございます。

このエッセイ、物凄く長いのですが、全文を一気に読ませて頂きました。筆者の太田さんの詳しい解説からフィギュアに造詣が深く、また、羽生君のファンでもあり、このように執筆してくださると、羽生君の素晴らしさ、偉大さに改めて感動しますよね。旦那様である能楽師の光太郎様と羽生君に相通じるところがあり、まさに一流は一流を知る、ですよね。羽生君は私が今更書くまでもなく、スケートに対してもまた人としての生き方も、その姿勢、考え方がブレずに筋が通っていて潔く、できるなら訪れて欲しくない現役引退も晩節汚すこと無く、きっと有終の美を飾ってくれることと思います。

マリリンさん、このような素晴らしいエッセイを紹介してくださりありがとうございました。スケート界のOB、OGたちやマスコミ関係者に読んでじっくり聴かせたい、そして世界の人々にも是非とも読んで頂きたい珠玉の作品だと思いました。
Posted by 峰 at 2019.11.01 12:55


マリリンさんゆづフアンの皆さんこんにちわ
古典芸能好きの私としてはうれしい限りです。
もう一度風姿花伝を読んでみたくなりました。
Posted by tama at 2019.11.01 12:56

マリリンさんゆづオンリーファンの皆様こんにちは

今日、キシリトールのクリアファイルを貰ったスーパーへ行ったらもう何処にもクリアファイルは有りませんでした。一週間で全部はけたのですね。ここにきてゆづの人気爆発中、何だか誇らしい気持ちになりました。

エッセイ感動しました。ゆづが正当に評価されて気持ちいいですね。もっとこんな記事が日本には溢れるべきですよね。久々に心から気持ちのいい事柄でした。ゆづも知ってるといいなぁ。
Posted by えりえり at 2019.11.01 12:56
さあ、いくぞ!
太田龍子様のエッセイに大感激してましたら、柚プー爆売れ、品切れ続出の報が。ディズニーストアー覗いたら、えーこんな物まで柚プーなの!!でびっくり。売れまくっていて2度びっくり!
ディズニーさん、ゆづくんファン舐めてませんでした?
いやはや凄えわ!  ファンでもビックリですです。
Posted by Cocoたん at 2019.11.01 12:57

マリリンさん、皆さん、こんにちわ。
このエッセーを初めてここで知りましたが、ここまで書いてくださるライターさんも久しぶりかと思います。
歴さんも仰っているように、『わかる人にはわかる』そのとおりですね。
もっとこういう真の実力と芸術性を理解したライターさんが現れてほしいものです。
またこういう記事があったら紹介してください。

Posted by ジジ at 2019.11.01 12:58
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